2021.05.02
労務トピックス
2020年4月から7月までの間に新型コロナウイルス感染症の影響による休業により報酬が著しく下がった時には、会社から日本年金機構等への届出により、健康保険・厚生年金保険料の標準報酬月額を、翌月から改定できる特例が設けられていましたが、その後2021年3月までの休業を対象に延長されました。今回、さらに2021年4月から2021年7月までの間の休業も対象となりました。
1.対象となる人
新たに休業により給与が著しく下がった場合で、以下のすべての条件に該当する被保険
①新型コロナウイルス感染症の影響による休業により、2021年4月から7月までの間に、給与が著しく下がった月が生じている。
②著しく報酬が下がった月に支払われた給与の総額(1か月分)が、既に設定されている標準報酬月額に比べて2等級以上下がっている(固定的賃金の変動がない場合も対象です)
③特例措置により標準報酬月額を改定することについて被保険者が書面により同意している。
2.申請期限
2021年9月末日までに届出があったものが対象となります。手続としては、特例改定用の様式に申立書を添付して管轄の年金事務所に申請します。また、2021年1月から3月までの間の休業により、給与が著しく下がった場合の申請は、2021年5月末日までに申請が必要です。
【留意事項】
・固定的賃金(基本給、日給等単価等)の変動がない場合も特例の対象となります。
・給与を支給していない場合や新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金を受ける場合でも、特例改定の対象となります。この場合、実際の給与支給額(※)に基づいて標準報酬月額を改定することになり、給与が支払われていない場合は、今回の特例改定に限り、最低の標準報酬月額(健康保険は5.8万円、厚生年金保険は8.8万円)として改定されます。
・今回の特例については、休業のあった月とその前2ヵ月のいずれか1月でも17日未満の場合、対象となりません。
・届出に当たっては、被保険者本人の十分な理解に基づく事前の同意が必要となります。(改定後の標準報酬月額に基づき、傷病手当金、出産手当金及び年金の額が算出されることへの同意を含みます。)
・同一の被保険者が本特例改定の届出を複数回行うことや、届出後に取下げ・変更を行うことはできません。(2020年4月~2020年7月に休業により給与が著しく下がり特例改定を受けた被保険者は、今回の特例改定を受けることはできません。)
※新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金は、給与支給額には含みません。
■参考
日本年金機構「【事業主の皆さまへ】新型コロナウイルス感染症の影響に伴う休業で著しく報酬が下がった場合における標準報酬月額の特例改定の延長等のご案内」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/0930.html