静岡県 社労士法人(社会保険労務士)

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採用情報

当法人の職場環境に関する取組について

 

1 はじめに

 

 さて、当法人は、2006年に笑み社労士事務所として創業以来、さまざまな中小企業様のご支援をさせていただきました。
私達の仕事は、「人が働く」という人生において最高のステージである会社を労務管理の視点から守ることです。
・働く環境をより良いものに整備していくこと
・予測できる労務トラブルを未然に防ぐこと
・社員が育ち、その職場でやりがいを感じイキイキと働けること。そしてそれによって経営者が幸せを感じられること

  そんな考えのもと今まで邁進してまいりましたが、職員全員が女性という体制の中、いろいろな壁にぶつかってきました。そして、そのたびに試行錯誤でやってきたことを、今回事例を挙げてご紹介したいと思います。

 

 

2 中小企業の女性活用における課題

 

  多くの中小企業は、限られた人員がお互いに兼任をしながら業務にあたっています。もちろん余剰人員もなく、人材確保ができず退職等を充足できないままに至っている企業も少なくありません。

そのため、女性が働く上で以下の課題があります。

 

(1)ライフステージに対応した制度を導入しにくい 

 

例えば、「結婚」「出産」「子育て期」「親の介護」 等のステージで、私生活との兼ね合いから一定期間に短時間勤務を希望したり、 一時的に休業を希望しても、企業が対応できる体制を取ることが困難である。       

 

(2)出産、育児、介護休暇の代替要員問題

 

一般的に既存の社員に余力がなく、代替要員の求人をしてもなかなか応募がきにくい。

 

(3)人間関係形成の難しさ

 

男性の管理職や上司が、部下である女性社員への対応に戸惑っているケースが多い。また、女性社員からの私生活がらみの相談には、対応しづらいケースが目立つ。

 

(4)ロールモデルの不足

 

自社の中で、若手女性社員が目標や憧れる先輩女性社員の存在がないケースが多い。

そのため女性社員が目指すべきキャリアビジョンが描きにくい。

 

 

3 当法人の取り組み

 

 当法人は、現在女性ばかり7人の小さな社会保険労務士事務所です。

また、それぞれに家庭を持ち「母」「妻」「娘」などの役割を持ちながら、笑み社会保険労務士法人の職員として、元気よく働いてくれています。

 しかし、かつてはこんな課題がありました。

 

 

自分が創業して我流で事務手続きをこなしてきた

       ↓

業務が標準化されていなくて、個人の裁量に委ねられていた

       ↓

引継ぎや指導の難しさ発生

       ↓

新人が長続きしない、指導者・先輩の疲弊

・退職理由「私は皆さんの足手まといになるから」

・メンタル不全発生

・自分を追いつめ、自己否定に

 

 

現在は、初めて出産、育児休業取得者が出て、やっと会社らしくなってきたところです。

 

まだまだこれからの会社ではありますが、これまでにやってきたことをご紹介させていただきます。

 

 (1)活力朝礼での意識統一

 

 当法人では、毎朝15分間「活力朝礼」を実施しています。「活力朝礼」とは、会社の目的を共有し、挨拶などの基本動作を確認し、チームワークを図っていくものです。朝礼は、私生活から仕事へのスイッチを入れる大切な儀式でもあります。

 挨拶の実習を毎日行うことで、朝からの電話応対も自然に元気な声になっていきます。

 また、毎日みんなで同じ所作を合わせることで、心を合わせることに近づいていきます。

 

 (2)「気づいたこと発表」による価値観の共有

 

 (1)の「活力朝礼」の中のひとつに「24時間以内に気づいたこと発表」があります。この話題は、仕事でも私生活でもかまいません。また、ニュースや本などの内容でもOKです。

 目的は、一緒に働く職員に関心を持つこと、積極的に関わるための情報共有です。今では、自己開示の場であったり、安心できる居場所に繋がっているようです。

 また、いいことばかり話すのではなく、仕事のミスやクレームも自ら取り上げて、改善策等を発表し、プラス転換している職員もいます。個人の気づきが、みんなの気づきへ繋がり、明るく風通しが良い職場環境に向かいつつあります。

 

 (3)誕生日祝い

 

 当法人では、職員の誕生日は、お誕生日ケーキと全職員のメッセージが入った手作りのバースデーカードでみんなでお祝いをします。日頃、「母」「妻」などの役割でいると、家族の誕生日や家族の行事などが優先で、なかなか自分の事まで手が回りません。

だからこそ、〇〇さん個人で働く時間こそ、〇〇さん個人としての

存在を大切にしていきたいと考えています。

 

 (4)「ありがとうカード」の導入

 

 当法人では、給与袋の中に「ありがとうカード」と「スクラッチ宝くじ」を同封しています。

強制はしておりませんが、日頃の感謝の気持ちを〇〇さんから〇〇さんへと一言メッセージカードに書いて、ありがとうBOXに入れておきます。そして、1ヵ月分を給与日にお渡ししているものです。その時に口頭では言えなかったことや、応援メッセージなとさまざまな想いが込められているようです。

 給与日は、お金の報酬と心の報酬の支払日となっています。

 

 (5)個人面談で共有ゾーン探し

 

  当法人では、毎月1回、全職員の個人面談を実施します。

 その時に次のような質問をします。

  ・うまくいっていることは何か?

  ・今、困っていることは何か?

  ・仕事を通じてどんな人生を送りたいか?

 そこで出た情報を元に、お互いがフォローし合うための糸口を見つけます。

 これを朝礼などで情報共有することで、チームワークの向上に向かっていけるようです。

 

 (6)お休みをフォローし合う仕組みづくり

 

 日本の制度は、「有給休暇」に始まり「出産・育児」「介護」休業など法律上の整備がされています。その多くの制度は、いつまでに申請しなければならないかなどは、自社の就業規則に委ねられています。

 そこで、当社では、お休みや遅刻・早退は分かった段階でなるべく早く言うがルールです。小学校や保育・幼稚園等は年間で行事スケジュールが組まれているわけですから、ある程度事前に分かるものです。お休み等の日程が早く分かればわかるほど、そのための事前アクションが取れるものです。法律通りにお休み等を取らせてあげるには、会社の方針だけでは成り立たず、周りの職員の協力そして本人の段取り力と双方の配慮がなければ成立しません。

 また、日頃から業務の標準化がかかせません。正しいプロセスや決められたことを決められた通りにやることにより、ルーチン業務は他の人がフォローに回った時のリスク回避やミス防止に繋がります。その仕組みづくりの徹底と落とし込みが必要です。

 

 (7)業務ミーティングで行動力アップ

 

 当法人では、毎月2回、月例ミーティングを実施しています。1回の所要時間は原則30分で、 司会と議事録担当者(書記)は交替制です。

 各々が事前に自分の業務の進捗状況や全員に共有したいことを箇条書きにして書記に提出し、書記がミーティング資料として全員分をまとめておきます。

 ミーティングでは、行動することに焦点をあてて、連携プレーとして必要なことは、その場でデッドラインを決めていきます。そして、その進捗を次回のミーティングで確認していくという流れになっています。このように、前始末と後始末をルール化することで、自らチームとして行動する意識が芽生え始めています。

 

 

4 職場環境改善の結果

 

 職場環境改善の取り組みが、働き方にどんな影響を与えているかを検証するために「働き方アンケート」を実施しました。その一部を抜粋して、ご紹介させていただきます。

 

職員の「働き方アンケート」

 ① 達成感ややりがいを感じた時

 ・自分の計画したスケジュールで給与計算や手続き等の仕事をやることができた時。

顧問先様から名前を呼んで頂いたりメールでやり取りを行えた時。

顧問先様から「ありがとう」と言われた時。(2年目)

 

・お客様から委任して頂いた助成金の申請が無事通り、お客様の元にお金という形で結果を残せた時。

お客様からの質問に回答した際に「ありがとう」と言われた時(4年目)

 

・指導している後輩の成長を実感した時。

お困りのお客様から電話がかかってきて、電話を切るときにお客様の声が明るくなり、感謝の言葉を頂けた時。(8年目)

 

・業務を通じて顧問先様から「ありがとう」と言っていただけたとき、事務所スタッフが顧問先様から「ありがとう」と言っていただき、満弁の笑顔をしている姿を見た時、この仕事をやっていてよかったと感じます。今後も少しでもお役に立てるよう、高いアンテナを持ち続け、日々勉強していきたいです。(有資格者)

② 辛かった経験、苦しかった経験

 ・すべてが初めてのことだらけでひとつひとつ覚えていく事が精一杯で、自分のすべきことが見えなかったり、時間内に終わらずまわりのスタッフに迷惑を掛けていると感じた頃が辛かった。(2年目)

 

・自分がうまく対応できなかったことに対してお客様からお叱りの声を頂いた時は、やはり辛かったです。しかし、それでも、その叱責には、私達に対する期待や改善を希望されているからこそ、お言葉を頂けるのだという考えを知りました。今では、そういったお言葉に対して、真摯に受け止め、次に生かすチャンスと捉えることが、少しづつできるようになりました。(4年目)

 

・自分のミスでお客様にご迷惑をお掛けすること。自分が処理したことだけでなく、自身が検印した書類も処理者と同じ意識を持ち、日々業務改善を進めています。(8年目)

 

・多々ありますが、ミスにより、顧問先様との信頼関係が揺らいでしまった時です。自分なりに最善策を考え、所長に相談し、少しでも信頼関係回復ができるよう、業務を行ったことです。

1つ1つの経験を自分の糧にし、顧問先様がコアビジネスに集中できるお手伝いができるようにしていきたいです。(有資格者)

 ③ 成長した!瞬間

 ・電話の応対などで手続きの事など質問されてスムーズに答えることが増えたり、対応出来た時や、給与計算で検印前に自分でミスに気付けたり注意しなければならないことが分かった時。

一番は、ノーミスだったと検印から戻ってきた時。(2年目)

 

・最初は誰に対してもオドオドしながら対応をしていたのですが、いろいろなことがわかってくるうちにその対応がなくなりました。特に行政の方には、難しい言葉を使って質問を受けた際に理解できずに余計うろたえることがありました。しかし、相手の意図を落ち着いて聞き取ることの方が大切だということ、自分がうろたえていると相手にもそれが伝わって不安にさせたり、疑念をいだかれたりすることを知り、そういった行動をかえるように努力しました。あるお客様から、「落ち着いているね」と声を掛けられた時は、とても嬉しかったです。

 

・今までの社会人経験で学び、少しずつ頭の「引き出し」が増え、1つ1つの「点」が「線」として結びついた時です。自分自身でも気づかないうちに成長していたんだと、日々気づかされます。(有資格者)

④ 2020年私はこんな仕事をしています

 ・ひと通りの仕事を自分で出来るようになって新しく入った方に、手続き方法など教えていけるようになったり、サポートできる立場でありたい。(2年目)

 

・今自分が担当してる業務以外のことについても、知識を広げお客様からの質問にすぐ回答できるような仕事をしたいと思います。お客様にとっても貴重な時間であるため、すぐにその場で回答できることが何より望ましいことだと思います。(4年目)

 

・後輩から目標とされる存在になっていたい。

キャリアコンサルタント資格を取得し、キャリアコンサルタントとして事務所に貢献していたい。自分がキャリアコンサルティングを担当することにより、会社とその社員にとっていい方向に向かっていけるお手伝いをしていたい。(8年目)

 

・法人化から5年。事務所スタッフがそれぞれ「家庭と仕事の両立」ができ、それぞれが自分にあった働き方ができる職場環境づくりをしていたいです。(有資格者)

 

 

5 終わりに

 

 組織を作っていく必要性がある職員数に達した現在、次のステップに進むために新たな目標も出てきました。それは、男性職員の採用や若年層の採用による調和のとれた組織づくりです。当法人の事業継承を視野に入れ、男性と女性が互いにそれぞれの強みを持ち寄り、相乗効果を生み出し、幸せを感じられる働き方を追求していくことです。

 

 実は私は、開業当初は前述したビジョンは全くなく、このような展開は予期しておりませんでした。しかし、一人は所詮限界があり、開業してすぐにそれはやってきました。そして、職員が増えるたびに、出来ることが増えて可能性が広がり、職員が当法人に入ってくれたことで自分自身も幸せをたくさんいただいて今があり、次の未来へ繋がっていると実感しています。 

それは、当法人の経営理念である「事業の継続とその延長上にある人の幸せ」そのものです。

 

今年は、事務所10周年記念 感謝の集いを職員とその家族で行います。

そして5年後の15周年記念 感謝の集いを顧問先様と行います。

そして10年後の20周年記念 感謝の集いを地域の皆様と行います。

そんな目標をみんなで描き続けていられることをとても幸せに感じています。

 

 まだまだ職場環境改善の取り組みは現在進行形で道半ばですが、改善を重ねアイデアを持ち寄り、全職員でワクワクしながら歩んでまいります。

 

 

笑み社会保険労務士法人

代表社員  鈴木 美江

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